2010年12月8日水曜日

UCSD=お代官様

毎月息子の大学から届く請求書、通称『脅迫状』の文面は大概こんな感じです。

UCSD Cashier's Office

UNIVERSITY BILLING STATEMENT
STUDENTS
MUST PAY ALL FALL 2010 REGISTRATION FEES BY FRIDAY SEPT 17TH.
IF YOU DO NOT PAY YOUR FEES, YOU WILL BE
DROPPED FROM CLASSES AND WAITLISTS.


何故か全部大文字。
超訳すると、
『判ってんだろうな?9月17日までに学費を支払わなかったら退学させるでー。 』





さらには、少しでも学費を支払うのが遅れた場合はこんな感じ。 (すっかり忘れてて2週間遅れただけなんだよー)Σ(゚д゚;)

Subject: UCSD - Important Fee Reminder  延滞通知 

Dear UC San Diego Student and Families: UC San Diego 生徒とご家族の皆様
As a friendly reminder, the deadline to pay your fees for Winter Quarter 2011 is approaching quickly. The deadline to pay registration fees is Wednesday, December 15. If you have recently paid your fees, please disregard this notice.

(超訳)
念のために知らせるんやけど、あんたんとこ学費支払ってないんちゃう?12月15日が締め切りっちゅうの!もしかして支払い済みだったらこのお知らせは無視してなー。

Please be advised that the University officially closes for business December 20, 2010 – December 31, 2010. We strongly recommend that all students make payment or make arrangements for payment of registration fees before December 15. Please also note that if payment is not received by the deadline, you will be dropped from your classes and wait lists.  

(超訳)
教務課は12月20日から31日まで休みになることを承知しといてや。 15日までに支払うか支払う手配することを強く勧めるでー。期日までに支払われてない場合は授業&キャンセル待ち名簿から削除するでー。要するに退学・除籍っちゅうことやな。覚えときや~!
後略


この高圧的な態度はなんだろう。まるでお役所?お代官様?

まるで、
息子を人質に取った。
毎月の学費をきっちり支払えばその内解放してやる。
因みに今年は32%値上げした。
来年は8%の値上げで我慢しといてやる。
嫌なら中途退学しろ。
毎月きっちり支払えよっ!いいな。

みたいに聞こえるんですけど、、、。((((ヽ(`Д´)ノ




州の膨大な財政赤字を理由にカリフォルニア大学(UC機構)は学部生の学費を8%値上げすることを決定しました。
昨年度はなんと一気に32%を値上げ。UC各校(特にUCLAとUC Berkeley)では学生によるデモ隊と警察の衝突により怪我人まで出た大騒ぎとなりました。

2010-2011年の学費は In-state tuition and fees: $11,306
Out-of-state tuition and fees: $34,185

カリフォルニア州の税金で運営されている州立大学ですから、親か本人がカリフォルニア州で働いて州税を払った実績があればIn-state(カリフォルニア州の住民)の学費を支払います。留学生を含む、Out-of-state(非州民)の学生は約3倍の学費を支払うという訳です。

また、この学費には登録費や寮などの大学施設利用料は含まれていません。



今では、留学生を含むOut-of-state非州民にとって、UCに通うための学費はアメリカで最も学費の高いハーバードやイエールなどアイビーリーグに属する伝統的な私立大学に通うのとあまり変わらないというわけなのです。


因みに、学期途中の学費値上げは契約違反として、UC Berkeley Law Schoolの学生ら民事訴訟も起こしています。


UC機構はバークレー校、ロサンゼルス校、サンディエゴ校など現在10キャンパス、約22万人の生徒が在籍しています。UCはレベルの高さ、スポーツの盛んさ、そして何よりカリフォルニアという魅力的な土地柄からか、国内の学生にも留学生にも人気があります。











図書館


しかし、超赤字財政のカリフォルニア州は、容赦なくUC向けの予算も切りまくり、その結果
人件費削減だ⇒ 教員がクビ⇒ 授業コマ数が減る⇒ クラスが満員で授業が取れない⇒ 卒業に必要な単位が取れない⇒ 卒業単位すべてを取得するには5年はかかる という実情です。

海外からの留学生はもっと大変です。12単位取っていないとFビザ(I-20)が取り消され、I-20を維持できないと不法滞在と見なされます。


高額な学費を払うためにStudent Loan学生ローンを組み、複数のアルバイトを掛け持ちする学生が多いのが現実です。

我がサンディエゴ天然息子も”なんちゃって寿司屋”で寿司を握り&巻き、生活費を稼ぎながら勉学に励んでおります。(励んでいるはず…?)




先日ヘアサロンで髪を切ってもらいながら、ブツブツ学費値上げの文句を言っていたら、Jeniffer(肉まん大国出身)がポツリと言いました。

”我が祖国では教育を受けたくても受けられない。貧しい農村部の子供たちは教育を受ける機会がない。それに比べ、アメリカでは誰でも金さえ払えば教育が受けられるからいい。”



頭をガツンと一発殴られたような衝撃。
ああ、肉まん大国の現実と比べたらよしとするか…。

へへ~。お代官様~。
年貢が遅れちまって、てえへん申し訳けございませんー。
どうか、お納めくださいましー。


頼む!サンディエゴ天然息子よ。
一日も早く卒業してくれ!


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