2011年2月28日月曜日

エリン・ブロコビッチのその後

弁護士をやっているNattayaの旦那に、冗談で『不良おばちゃん感電する』の件を聞いてみた。

『こんなんで訴えられるん?』

答え:訴えた者勝ち。

そう。非常識で、ばかばかしいことを高額の賠償金目当てにでっち上げ、訴えることがまかり通るこの国。 ”作り話”をすれば、がっぽがっぽpunitive compensation/damages賠償金が稼げるかもしれないとのことである。

punitive compensation/damages とは:補償的損害賠償および懲罰的損害賠償
補償的損害賠償は被害者が被った身体的および財産的損失を補償するための賠償金。懲罰的損害賠償は、不法行為訴訟などにおいて、加害行為の悪性度が高い場合に、加害者に対する懲罰および一般的抑止効果を目的として補償的損害賠償のほかに認められる損害賠償。


偶然にも火曜日のクラスで、映画”エリン・ブロコビッチ”を通して法廷用語をしっかりと勉強した後だったの。法廷用語はまかしてくれい~やっほい!



非常識な訴訟といえば、有名な『猫チン事件』。
猫を洗い、早く乾かそうとして電子レンジでチンしちゃった老婦人。猫がお亡くなりになったのは、電子レンジの製造メーカーが『猫をチンしてはいけません』という注意書きをしていなかったからだ、、、と製造メーカーを訴えて賠償金をがっぽりもらった。電子レンジの取扱説明書に、「動物を乾かす目的で使用しないでください」という注意書きがあるのはこのためだ。


こちらは現在実際に横行しているインチキ話。
スーパーマーケットの床が濡れていた為に滑って怪我をしたと店に対して損害賠償を請求する。これは完全に”やらせ”で、ペアで滑る役と目撃者を装う役を担当するのだとか。店側は訴えられると面倒なので、お金で解決する。


『不良おばちゃん感電事件』も、証拠をでっち上げることで(目撃者の証言や医療機関からの診断書等の具体的な被害を用意すること)訴えることはできるそうである。

感電したショックでぶったまげて歯を折ったので治療費を払えこのやろー!とか、 精神的トラウマを負ったので怖くて外に出れない・・・とか、、、?

寿司小国人の常識的感覚からすれば考えられない。”訴える”ということが身近な国だから、こんな詐欺まがいの事が横行するのだろう。






『鮭の押し寿司』作りましてん。















『サンディエゴ天然息子週末限定寿司シェフ』に”何これ、みっともない。。。”とバカにされそうな外見だが、最近お呼ばれの手土産や、ポトラックにはこれ。
Menlo ParkのNattaya(タイ人)家にも持って行った。
見栄えがするし、サーモンはどんな国の人も慣れているから。


去年Siriちゃんがタイへ帰国しちゃったとたん、入れ違いにNattayaと知り合ったという嬉しい偶然。
火曜日のクラス写真で不良おばちゃんの隣に写っているのがNattaya。



元看護士の彼女は、3年後に故郷Chiangraiチェンライに戻り、 旦那さんと老後を過ごす計画なのだとか。彼女の当面の目標は3年以内にUCSFカりフォルニア大学サンフランシスコ校で看護学の修士号を取得すること。タイへ帰国した後は母校で看護学を教える予定なのだ。とりあえず今は受験に必要なTOEFLの得点を上げる努力をしている。




火曜日のクラスの題材となった映画、”Erin Brockovichエリン・ブロコビッチ” 。 movie script台本はこちら :http://sfy.ru/?script=erin_brockovich

Erin Brockovichは2000年制作のアメリカ映画。






















1993年、アメリカ西海岸を拠点とする大手企業PG&Eを相手に、3億ドルというアメリカ史上最高額の和解金を勝ち取った実在の人物エリン・ブロコビッチの活躍を描く痛快な作品。



Hinkleyという町は、ラスベガスへ行く際に通る田舎町なんだ。
Bakersfield からBarstowまでルート58を通るのだが、Barstowの約10マイル手前にある小さい小さい部落みたいな町がHinkley。
何にもない。
こんな所に人が住めるんだろうか・・・という程何もない荒地。
そこにあるのは、果てしなく続くMojave Desertモハベ砂漠と Edwards空軍基地。



PG&E社が人体に有害なchromium6(6価クロム)による水質汚染の事実を隠蔽しようとしている企みに気付くエリンは持ち前の行動力と執念で裏付けていく。
同社はパワープラントの錆止めとして6価クロムを使用しており、土壌に浸透した為に地下水が汚染された。彼女は原因不明の病気に苦しんでいた住民達をまとめ、史上稀にみる和解金3億3300万ドル(約350億円)を勝ち取り、彼女自らも2億円以上のボーナスを手にするという、勧善懲悪ストーリなのだ。

実はその後の話が面白い。
彼女が後に出版したAutobiography自叙伝 『Take It From Me』によると、、、
Take It From Me:私を信じなさ い。/私の言うことに間違いはない。























映画では3人の子供の面倒をみてくれる、気のいい子供好き恋人のバイク野郎George。実際は報酬を得て子供達のベビーシッターをやっていた。
ErinとGeorgeの関係は険悪になっていたが、Erinに破格のボーナスが入ったとたんにErinに付きまとい、金を要求し、最終的には法的に決着を着けなくてはならないほどだった。


2番目の元旦那も同様に金をせびる&つきまとう。

そして、報酬で購入した念願のマイホームは実はカビだらけで建て直さなくては住めないほど。


さらには突然の知名度の高さにひっぱりだことなり、家を空ける機会が多くなったため、長男と長女は10代で薬物依存症となり、高額な治療費を支払いセラピーのため専門の病院へ入院させなければならなかった。

踏んだりけったりのErinだったが、仕事に関しては環境/薬害訴訟を専門とした”consumer advocate消費者保護団体の代表”として引き手あまたの活躍中である。大した女性だ。
Erin Brockovich Official Website: http://www.brockovich.com/index.html



気になるのは、映画の舞台となったHinkelyで、昨年汚染地域以外の広範囲でChromium6価クロムが検出され、Erinが再び調査に乗り出していること。

これが真実ならば、PG&Eは当時下されたClean up order(地下水の汚染を防ぐために貯水池をすべて防水加工すること他)を実行していなかったことになる。


それにしてもPG&Eという会社は、東京ガスと東京電力を合体させたような巨大企業なのだが、地元では大変に評判が悪い。
同社が導入したSmart Meter電気メーターが新しく取り付けられてから、とんでもない金額の請求がきたと驚いた多くのカスタマーから払い戻し請求を受けたり訴えられたりしている。


そして、昨年9月にSan Brunoサンブルーノで老朽化したガスパイプラインが大爆発し、住宅地が炎上した事故は記憶に新しい。PG&Eの利益至上主義がもたらした、ずさんな管理体制がここにある。


さらには、11月の住民投票Proposition16法案16は、自治体が独自にガスや電気などの公共サービスに新規参入する際に必要な住民の支持を、これまでの過半数から三分の二に引き上げる法案で、事実上PG&Eの独占を容認し、競合を難しくするものだった。 
要するに、PG&Eが法案を作成し、PG&Eがキャンペーン資金をつぎ込んだ、PG&E繁栄の為の法案であった。住民投票により却下されたが、住民にはまったく信用されていない悪名高き企業なのである。





主演のJulia Robartsジュリア・ロバーツはこの作品で第73回アカデミー賞主演女優賞を受賞している。

彼女は2012年公開予定の実写版Snow White白雪姫の継母/魔女役に決定したらしい。現在ほぼ同時に二つの実写版白雪姫が進行中で、彼女が出演するのはコメディー/アドベンチャータッチのもの。もうひとつの作品はCharlize Theron シャーリーズ・セロン が継母/魔女役の候補に挙がっている。


再来週公開になる実写版 『Red Riding Hood 赤ずきん』


怖ッ!! おばあちゃんを食べちゃう狼はWerewolf狼男だったのー?

どうやらハリウッドではグリム童話の実写版映画化が流行っているらしい。

2011年2月20日日曜日

Silicon Valley is a Huge Melting Pot

何を血迷ったか、今期は欲張って3つのクラスに登録してしまった不良おばちゃん。

まったく何を考えていたんだか・・・。
忙しくて首が回りましぇん。
キャパシティー・オーバーで、もう無理・・・。


入ってくる情報量の半分も咀嚼・吸収できずに垂れ流し。


このブログもほったらかしだし・・・。


だけど、お金を払って登録しているわけだから、通わないともったいない。
Mottainai…















顔にモザイクかけてみた。
火曜日のクラスの面々。


クラスメイトの半分はAu Pairで、フランス、ドイツ、スイス、スウェーデン、オランダ、オーストリア他から来た利発で積極的なティーンエイジャーのお嬢さんたち。

説明しよう。Au Pairはヨーロッパや米国他では定着しているNanny(住み込みのベビーシッター)をしながらその国の言葉や文化を勉強するというプログラムである。http://en.wikipedia.org/wiki/Au-pair


米国ではJ-1 ビザが与えられる。
ホストファミリーの子供達の面倒を見ながらCollegeカレッジ等の認定された教育機関で予め決められた単位を取ることが必須なのだそうだ。色々な経験ができてエーゴも上達しておこずかいもいただけるなんて、とっても良いシステムじゃない?寿司小国では浸透していないようだが、今後もっと広まるといいね。


高校を卒業したばかりの18歳-19歳の彼女たちは”お母さんの手料理が食べたい”だの、”ホームシックで6月までもたない・・・”とか弱音を吐いていたけど、皆ネイティブ並みにエーゴが上手だ。元々エーゴが話せることがAu Pairの条件らしいから当然か・・・。





最近イラン人の皆さんにお世話になることが多い。
お宅にお呼ばれ&4週間ぶっ通しでChelokababi でランチだ。

彼女達は見目麗しいだけではなく、教養と人間味のある暖かい人柄、加えて社交的でざっくばらんなので付き合い易い。感情が細やかで、常に相手の気持ちを察してくれるところは寿司小国人とよく似ている気がする。


イラン革命(1979年)をきっかけに、国外へ逃げることが出来るだけの資金と権力があった皆さんだから、元々インテリ・富裕層出身なのだろう。

祖国は“bunch of thugs 悪党の一団”に乗っ取られ、Mahmoud Ahmadinejad という名の“psycho 狂人”がPresidentと名乗って恐怖政治が続いている・・・と彼女達は嘆く。

めったに感情的にならない彼女達が、最近は人が変わったように興奮している。
なぜなら、チュニジアやエジプトでのデモによる政権転覆で幕を開けた中東民主化デモの連鎖はイランにも波及し、各地で大規模デモ反政府デモが起きているから。

“bunch of thugs”をたたき出し、第二のエジプトとなれるかもしれない、、、。やっほい!

祖国を捨てて、外国へ移住する以外の選択肢がなかった彼女達が、再び愛するイランで生活できる時が来るかもしれないっ。



3月21日Persian New Yearイランのお正月 を両親と一緒に祝う為に、Mitraは春休みを利用して再来週故郷へ飛び立つ。政情があまりにも不安定だと、フライトをキャンセルすることも考えているのだとか。

Mitraの両親は子供達の住むアメリカで老後を過ごすことを拒み、生まれ育った故郷に住み続けることを選んだ。元大学教授のお父さんはアメリカの個人主義・利己主義が大嫌いなので、人情深くて、人と人との繋がりを大切にするイランから離れられない。


確かにイラン人の皆さんの暖かいホスピタリティーには驚かされる。
来客があれば、もてなしまくる。

そもそもPot-luckポットラックという概念がないらしい。
「お料理大変でしょうから、一皿持って行きますよー」と、お客として呼ばれる側が料理一皿差し入れするはタブーなんだって。
呼ぶ側が料理をたっぷり(本当にすごい量!)を用意して、これでもかーーーっ、とおもてなしをするのがイラン流のホスピタリティーなのだ。
手土産には花束やワイン等を持って行く。


イラン人の皆様お勧めの本 『Persepolis ペルセポリス』は在仏イラン人女性による自伝漫画。




















イスラム革命からイラン・イラク戦争という激動の時代が一人の少女(作者)Marjaneマルジャンの等身大視点から描かれている。




















こちらは映画化された作品のDVD。第60回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。第80回アカデミー賞外国語映画賞のフランス代表作品であり、長編アニメ映画賞にノミネートされた。




12歳で両親の元を離れて英国の寄宿舎へ入ったMitraと主人公マルジャンとが重なる。





そういえば、かれこれ2週間以上寿司小国語を使っていない。
あ、一郎爺と話す『ああ』だの『ふう』だの『うむ』だのという、とても会話とは言えないシロモノは別として…。

やばい。このブログだけは細々とでも続けて、寿司小国語を使う努力をしなくては・・・と思う。
『ふう…』

2011年2月12日土曜日

不良おばちゃん、不良につき『感電』するの巻 (((゜д゜;))))

暖かいというよりは暑い冬となっている今日この頃のカリフォルニア。
今朝も天気予報士の巨乳姉さんは“Record tempreture 記録的な暖かさになるだろう”などと予報している。

記録的といえば、遂に『記録的体重』を記録してしまった不良おばちゃん。
サボっていたジョギングを再開しなければ。

走れるデブとして生きていくか、ただのデブとして生きていくか、、、ここが正念場である。
重たい身体を引きずってジョギングに行く。


あ、遠くに見えるのは、大好きな『草刈り隊』じゃないかー。

え?模様のあるヤギ?なんだか茶色いヤギ白いヤギ混合ヤギがいる。
パッチワーク・ヤギ?
首が茶色で身体が白い。
おお、いっぱいいる。
すごい数のヤギさんだ。
















増えたねえ~。
















白いフェンスに触ったとたん、きた。

ビリビリッ!

感電!!!!!

フェンスに電流が流れていたの。


















牛の放牧には使われていると聞いてはいたけれど、草刈り隊にも使われていたのね。
羊/ヤギがフェンスの外に出ないように囲いのフェンスに電流が流れているわけだ。






↑ ここで不良おばちゃんは感電した!

だけどさ、感電するような危険なフェンスを歩道のすぐ横に設置してるってどういうこと? 子供が触ったらどうすんのさ!

感電注意!とか、触るな感電!とか注意書きもなかったし、、、

Sueだ!Sueしてやる!(*`д´)b NO!   

(おお、久々だな、このフレーズ、、、)

2011年2月6日日曜日

F××K MUBARAK!

1月26日を最後に、エジプトに里帰り中のNAGIBAと連絡が取れない。

説明しよう。
NAGIBAはエジプト人だが中身は関西のおばちゃんである。世話好き、料理好き、パーティー好きで涙もろくてちょっと自己主張の強い、太鼓腹の我が友である。

そう。関西のおばちゃんは全世界にいる。

因みに彼女の口癖は『Enshara~』と『F××k Mubarak』。



彼女は昨年クリスマス前に、トランク3個パンパンのお土産を詰め込んで、2年ぶりに生まれ育ったアレキサンドリアに娘AZZAと帰郷した。
3ヶ月間、家族親戚友人達の世話になりながら旧友を暖める計画なのだとかで“ルンルン”で飛び立って行った。


先月中旬より、不安定だったエジプトの政情が急展開。
反政府勢力が大規模デモを行っている様子がテレビで流れる。
夜間外出禁止令が出て、空港も閉鎖。
インターネットが繋がらないので情報は混乱している。


先週の金曜日、心配で居ても立っても居 られなくなり、一足先に仕事のためにカリフォルニアに帰っているAZZAに電話してみた。

アメリカ人にはエジプトから退去命令が出ている。
合衆国政府が用意したチャーター機に乗って脱出できるのだろうか?(Nagibaは昨年アメリカ国籍を取得している)無事に帰ってこれるのか?
2年ぶりに帰郷した時期が祖国の混乱時期と重なるなんて、なんてアンラッキーなんだろう。


アレキサンドリアにいるとばかり思っていた太鼓腹Nagibaはカイロ郊外にいた。Cairo Tahrir sq. タハリール広場から約30キロほどの街の親戚の家に滞在しているとのこと。

Azzaも心配して連絡を取ろうとしているが、インターネットはもちろん、携帯もつながらないのだとか。



その後なんとか連絡がついたとAzzaからメール。

なんと”お母さんは張り切って2月1日に予定されている大規模デモに参加する用意をしているらしい“とのこと。

な、な、なんですとーーー?

脳裏に、投石を受けて額からを流すNagibaの顔が浮かぶ・・・。



一昨日(2月2日)朝、Facebookのメッセージを通じて本人からメールが来た。

『Thanks a lot Elhamed lela me and all the family are okay. We just got the internet now. Say hi to all. Miss u all. With love Nagiba    Elhamed lela してくれてありがとう。皆元気だ。インターネットが回復した。皆によろしく。皆と会えなくて寂しい。』  

Elhamed lelaの意味は不明だが、とりあえずデモで怪我をすることはなかったようだ。ほっ・・・。



さらに今朝(2月5日)はFacebookを通じてNagibaからFriends達に『元気でいる』とのメッセージが送られてきた。
一安心。


『Twitter』や『Facebook』が反政府デモの群衆動員に威力を発揮したと聞く。 常日頃“Facebookのいったい何がいいのだろう・・・”と思いながらも、便宜上たまに参加している程度なのだが、こういう使われ方をするならいいじゃないか。

Facebookのおかげで、遠いエジプトの彼方で民主化に立ち上がった市民やNagibaが身近に感じられる。


たまたまこの時期に里帰りしていて、祖国の歴史的転換期に立ち会えるなんて、もしかしてこの太鼓腹関西おばちゃんエジプト人は超ウルトララッキー!な奴なんじゃないか?


Facebookというツールが何故アタシにとって魅力的に感じられないか・・・はまたの機会に。結構、ここシリコンバレーにはFacebook嫌いが多いのには驚かされる。お膝元なのにね。