米国歯医者事情 『不良おばちゃん、性根が腐っているので三枚おろしにされる…の巻』

キーワードその１：口を開けば後進国が見えてくる

中学校の頃から歯医者通いを続けてきたアタシは、頭も弱いし眼も弱いし歯も弱い。

もう、どうしようもない･･･。( -"-)┌ﾔﾚﾔﾚ...

アタシの口は “京都の町家”みたいに間口が狭いが奥行きがある。
小さい口の中には一人前の数だけ歯が生えてるから、歯並びがぎゅうぎゅうに重なり合り歯並びが悪い。すなわち虫歯に成り易いというわけだ。治療するときも、大きく口が開かないので歯医者泣かせ。

だから4年前まで住んでいた寿司小国でも比較的にきちんと定期的にチェックし、虫歯が見つかれば治療していた。　
口を開ければ銀歯だらけ。


アメリカに来て3年間は一郎爺が通っているという理由で（保険も同じだから）、特に何も考えもせずにSunnyvaleにある寿司小国人のドクター＆受付がいる歯医者に行っていた。アタシを担当してくれたドクターは肉まん大国人だったけどね。

歯医者を今回変えることにしたのは
“なんとなくこの歯医者ではいけないような気がする･･･”という野生のカン。


どこの国でも腕が良くて信頼できる医者/歯医者とめぐり合うのは大変だ。Review患者の評判や経歴等を参考にしたとしても実際に自分で確かめて納得してからでないとね。


知り合いに聞きまくって紹介してもらい行ったのはBerryessaベリエッサで開業して25年の実績Dr.S。　ここをクリック

どこの国出身の人でも腕さえ良ければ特に問題なかったのだが、偶然にも日系三世だって。　
因みに寿司小国語は一切通じない。


初診は2時間以上かけたチェックアップとクリーニング。
ハイテク歯医者だとは聞いていたが、眼の前の画面でレントゲン＆写真から自分の歯に関する電子カルテが次から次へと出来ていく。

一体全体いくつチェック項目があるんだ？
歯ぐきの状態はもちろんのこと、超音波で顎関節を検査までするんだ。　
まるで口腔内科じゃないか･･･。　


歯周病予備軍だって言われた。(;д;)
デンタルフロスの使い方が間違っていた。
アタシの歯に適したフロスのブランド名まで指定された。

因みにこれまで使っていたフロスはCostcoでまとめ買いしていたGlide Deep Clean。

そして今回指定されたのはReach DentoTAPE Waxed Ribbon Dental Floss 歯の間になかなか入っていかない程太いので、しっかりと歯垢をと取り除いてくれる。
　　　














歯並びの悪さを病気の１つとして捉えられている歯科矯正先進国のこの国。　さらには真っ白な歯であることが美しい笑顔の基本だから、メタル（銀歯）というマテリアルはありえない。
銀歯だらけで歯並び悪い婆さんは、どこかの歯科後進国から来た貧乏人・・・ってか。





キーワードその2：鴨が、いや、豚がネギを背負ってやって来た

2回目はコンサルティング

訴訟社会の米国では、いいかげんな治療をすれば訴訟を起こされる。
一方で、大枚をはたいて保健に入っている我々患者側も、医療内容に関してシビアなコスト意識を持っている。
だから当然不明な点や、自分の希望をしっかりと伝えて誤解の無いように医者側も患者側もコミュニケーションを図ろうとするという訳だ。

納得しなければ、当然セカンドオピニオンを聞きに他の歯科医を訪ねることもできる。

前回検査したデータを基に、ドクターの意見を聞きながら、今後の治療計画を立てていく。
歯/歯ぐきの状況などを元に、治療のプライオリティーを決めていく。
この姿勢はまるでサービス業だ。



以下不良おばちゃん別名”ネギ豚”の今後の治療計画

① 寿司小国で治療した右上奥歯（銀歯のクラウン）の中がかなり怪しい。クラウンを取り除いてみないと分からないが、、、。

費用：見積り額約1000ドル。保健が50％の約500ドルをカバーし、残りの約500ドル自己負担。
こちらでは当たり前らしいが、風船みたいなラバーシートを歯の周りに金具で付けて治療をする。



② 寿司小国で治療した前歯2本の根の部分が炎症を起こしているようだ。歯根を洗浄しなければならないかもしれないので、紹介するEnododontist　歯根治療専門医に行ってこい。

紹介されてWillow GlenにあるDr.Yのオフィスに素直に行って来た。　ここクリック。
あらまあ、この方も日系三世。誰かに似てるけど思い出せない。誰だ？

案の定、根が腐って骨まで侵食しているかも、、、？surgery手術ですって？

ああ、もうどうにでもしてっ!! （まな板の上のトド）

費用：見積り額　二本で約1500ドル。Buy one get one freeとはいかないらしい。保健が80％の約1200ドルをカバー。残りの約300ドル自己負担。


因みにこの治療には計4回通うことになった。

1回目：検査と手術についての説明。　cystと呼ばれる歯根嚢胞（しこんのうほう）をマイクロスコープを使って取り除く。
2回目：手術　　麻酔の時間も入れて1時間半程度。あらかじめ処方してもらってた痛み止めを術後に飲む。　アイスパックで冷やしながら運転して帰宅。　塩水でうがい。　流動食のみ。　口と鼻の回りが腫れて、プクーとした別人となる。　シワがなくなる。 誰だおまえ？
3回目：一週間後の抜糸　　この時にDoctorが誰にそっくりなのかを思い出した！デジャヴーだ。吉川水産のおっちゃん！いつもお願いして魚を三枚におろしてもらったおっちゃんの生まれ変わり？　今回はアタシが　三枚おろし　にされたというわけやね～。
4回目：半年後　手術後のチェック




③ 寿司小国で治療した左上奥歯の銀の詰め物の周りが怪しい。
費用：見積り額約1000ドル。保健が50％の約500ドルをカバーし、残りの約500ドルが自己負担。
型をとり、10分程で機械が歯を削り、その場で詰め物が出来上がるCerecという機械がすごいど。　Cad/camもここまで来たか、、、。




④ 寿司小国で治療した右下奥から二番目と3番目の銀歯が怪しい。
×2本なので見積額約2000ドル。保健で50％支払われ、残りの1000ドル自己負担。



⑤ 歯並びが悪い。 矯正するかどうかは今後お財布と相談。
⑥ 歯ぐきが加齢と歯周病により上がってきているgum is receding 。炎症も見られる。しっかりプラークコントロールしないと。
⑦　歯の色が悪い。Porcelain Veneersと呼ばれる処方もあるぞ・・・と言われる。これも今後お財布と相談。


ということで、当分の間は抜け出せない歯医者地獄　デブスパイラル　いや　デススパイラルに落ちた。
ヽ（´Д｀ヽ）（/´Д｀）/ひゃ～たちけてくれ～ ！





キーワードその3：You are maxed out！

我が家が入っている保健はDelta Dental PPOという比較的一般的な保健プランで、Annual Maximum Coverage（年間支払い限度額） $2,000 が設けられている。

治療は大きく3つのカテゴリーに分けられる。
★Preventive Treatment：予防（初期診察、クリーニング、レントゲン等）保健で100％カバー。
★Basic Treatment：基本的な虫歯治療や神経治療　80％カバー
★Major Treatment クラウンやブリッジ等といった治療　50% カバー

① 右上奥歯（銀歯のクラウン） はMajor Treatmentだから、保健が50％の約500ドルをカバー
② 前歯2本Enododontist はBasic Treatmentだから、保健が80％の約1200ドルをカバー
③ 左上奥歯の銀の詰め物 はMajor Treatmentだから、保健が50％の約500ドルをカバーし、

保健カバー分を足していくと　500＋1200＋500＝2200　
治療4本目の歯にしてmaxed out保健での年間支払い上限の$2000を軽く超えてしまったー。

残りは全額自己負担てか？ Σ(ﾟдﾟ;) ﾇｵｫ!?



④ の”寿司小国で治療した右下奥から二番目と3番目の銀歯×2本”に関しては、新年度に入ってからの治療としてもらった。
予約は1月3日朝一番。
新年早々歯医者通いかよ。　とほほ、、、。



それにしても寿司小国での歯科治療が後進国並となってしまった理由は何なんだろうか。

特に保険診療内でおこなわれている、endodontic care歯根治療はいいかげんなものが多いんだとか。


寿司小国での歯科治療は”安かろう悪かろう”みたいな気がする。


駐在員や留学生の皆さんは、治療費が高いからという理由で寿司小国で治療してからアメリカへ着任/留学したり、歯が痛くても寿司小国に帰国するまで我慢する・・・らしいが、反対なんじゃない？

こちらでデンタル保健に入っているのであれば、アメリカで治療したほうが確実に質の高い治療が受けられると思う。 もちろん腕の良い歯科医を選ぶのが先決だが。

日本の歯科治療は悪い歯をピンポイントでフィックスする“木を見る治療”。
アメリカはのそれは、予防しながら全体的に”森を見ながら“治療していく 。
アプローチがまるで違う。


こまめに正しいメンテナンスして予防していれば、アタシみたな”大きな支出”は防げるわけだしねー。

痛い。あー痛い。歯は痛くないが、お財布が痛い。